デトロイトがお家

デトロイト市内の大正3年に建てられた古民家を夫婦でリノベーション中。デトロイト情報も発信していきます!

デトロイトの民家再生プログラムを振り返ってみる その2

古民家のリフォームはパンドラの箱をあけるようなものだ、と誰かが言っていました。

 

私たちのプロジェクトも家を平行になるまで持ち上げて梁で固定する、という最初から予想外の展開です。

 

2X4材を地下室の床と1階の床根太の間に斜めに差し込んで、垂直になるようにハンマーで打ち込む、House Lifting Jackなる家を持ち上げるための道具を使って持ち上げる、これらを繰り返しながら少しづつ1階の床を持ち上げていきます。ハンマーで打ってはレーザーで水平具合を測り、足りないところを持ち上げる、の繰り返し、、、根気のいる作業です。

 

作業の様子。太い10X材の下にあるのがHouse Lifting Jackです。

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床の水平が確保できたところで、梁を入れます。

 

10メートル以上もある鉄筋の梁を一体どこで買うのか、どうやって持ってくるのか、疑問だらけの私を尻目に旦那さんが当時働いていた古材屋さんでI-beam (アルファベットのIの形(横にするとH)の鉄の梁)を手に入れ、後ろに長〜い荷台をくっつけたトラックが家まで運んできてくれました。日本だったらこんなの個人で買えるのだろうか?

そしてこんな厚い鉄の塊をどうやって家庭用の機械で切断するのか?疑問だらけの私の横で義父が持参した機械を取り出し、火の粉を撒き散らしながら梁をカット、みんなで1階の床根太までもちあげ、仮のポールを置いて固定、そして最初の作業が終わりました。

 

ここまでやるのに1ヶ月ほどかかったと思います。これで少なくとも安心して家の中で作業ができるようになったわけです。

 

 

 

次にsoffit and fasciaの修復作業です。soffitは家の外壁から突き出している屋根の下の部分、fasciaは屋根とsoffitの間の部分をのことを指します。ほー。

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日本語で何て言うんでしょうね。屋根の下のところなんて今まで気にしたことも、日本語で表現する必要もなかったな。当たり前のようにこの単語を教えてくれる大工さんな旦那である。

 

Soffitもfasciaも木材でつくられており、ほとんどは取り替えが必要でした。足場が必要な高所での作業です。2階建で屋根裏もある背の高い家です。ハシゴから落ちたりしたら、大怪我だよ!さすがに業者頼まないと無理なのでは。。。

 

ド初心者な私に旦那は言いました。「お父さんとやるよ。」

 

ホントに?

 

 

 

 

 

 

 

なるほど。さすが元プロの大工さん、足場用のハシゴを持っていたのでした。

レザーで水平計る機械といい、なんでも持っているとても頼りになるお父様です。

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Primer(防水の為の塗料)をひたすら塗る作業を私がやり、旦那と義父が解体、木材取り付け、上からペンキを塗る作業を行いみんなで丸5日ほどかかりました。木材を運んだり、ハシゴで高いところに登って作業したり、大工さんって本当体力や力がいる大変な仕事で、誰でもできる仕事ではないんだと実感したプロジェクトでした。

 

私は木材を運んだり、塗料を塗っただけで手足の筋肉痛になってしまいました。

 

つづく